【5日目(8/12(火))旭川〜ウトロ】

◆本日のテーマ◆ひたすら東へ。そして自然の驚異を目の当たりにする


<峠を越えて東へ>
<オホーツクの海よ戻ってきたぞ>
<ファイト!一発!>


<峠を越えて東へ>

今日は、ひたすら知床を目指して東へ走ることになる。
そして今回の旅行のメインイベント、カムイワッカ湯の滝に行く予定だ。

9:05、宿を出発。一昨日と逆方向で層雲峡方面へ向かう。
道道940号〜140号で愛別町へ。そして国道39号を右折。
層雲峡は一昨日見て回ったので、通過するだけ。
そして大雪ダムの手前で国道39号を石北峠へ向かう。

10:43、石北峠に到着。
ここは北見や網走方面と旭川方面をつなぐ交通の要衝のため、交通量が多い。
また、峠に展望台があるのだが、これがあまり見晴らしが良くない。
木が多いというのもあるし、太陽光発電施設がすぐ横にあって、ちょうど視線を遮っている。

やっぱ通過するだけの峠だなあ。わざわざ車を降りて観光するほどの価値は無し。

石北峠の様子 展望台
石北峠の様子。
交通量が多い。
展望台。
見晴らしは良くないなあ。


石北峠からのパノラマ画像はこちら(298KB)(見ても面白くないよ)


11:02、出発。国道39号をひたすら東へ。
途中、温根湯の道の駅でトイレ休憩した以外はずっと突っ走っていた。
北見市街を通過し、女満別町へ抜ける道道122号を快走していた時のこと。
カーブの手前で制服の人間がなにやら装置を向こうに向けて座っている。ねずみ取りだ!
反対車線だったのだが、こっちは80km以上出していたので(だってそのくらいの速度で車が流れて
いるんだもん)、びっくりした。
でも、皆ここでねずみ取りをやっているのを分かっているのか、制限速度程度でちんたら走ってくる。
こういうところで旅行者の車はひっかかるんだろうな。


その後、道道248号〜国道39号と進み、女満別へ。
市街のはずれの丘の上にある、朝日ヶ丘公園へ行ってみることにする。
13:02、朝日ヶ丘公園に到着。
網走湖をバックにした丘の風景や、いろいろな花が咲く展望の良い公園だ。
駐車場等の施設が新しく出来たばかりのようで気持ちがいい。
ちょうど霞のようなものがかかって絶景とまでは行かないが、開放感があって気持ちいい。
ただ、夏休みだというのにここは人が少ない。
我々がいる間も、北見ナンバーのレンタカーが1台来ただけだ。
広大な芝生広場でワンコと遊ぶのがいいかも(ベルクはリードを離せないけどね)。

朝日ヶ丘公園
朝日ヶ丘公園。
気持ちいいねえ。


朝日ヶ丘公園からのパノラマ画像はこちら(105KB)


しばらくぶらぶらし、13:20出発。

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<オホーツクの海よ戻ってきたぞ>

ウトロまで行く途中、小清水原生花園に寄ることにする。
ここは前回の旅行でも行ったのだが、今回もベルクに牛乳(一杯100円)でも飲ませてあげるか、と思ったのである。
道道246号〜102号を通り、国道244号を右折。13:46、到着。
やっぱり観光客の車や観光バスで混んでいる。有名だからなあ。

とりあえず原生花園とオホーツク海を見に海岸の方へ行く。
前回の旅行記でも書いたが、夏の間だけ開設するJR釧網線の臨時駅「原生花園駅」がすぐそばにある。
今回は、なんとちょうど列車が停まっていた。1両編成のローカル列車だ。
斜里方面へ向かう列車のようだ。見ているとそのうちトコトコと出発していった。

原生花園駅と列車
原生花園駅と列車


原生花園自体は、前回の方が花が多かったなあ。
今回は黄色いエゾキスゲも赤いハマナスも、もう終わっていて、ちょっとさみしかった。
相変わらず観光客はいっぱいいたけどね。

展望台からはオホーツク海と、その向こうにうっすらと知床半島の山々が見える。
海から風が吹いて半袖だと寒いくらいだ。
前回は6月だというのに暑かったけど、これが普通なんだろうなあ。

JR釧網線の網走方面 原生花園ってここだよ
JR釧網線。
こんなトコを列車が走ってるんだよ。
この前はお花がもっと咲いてたのになあ。


原生花園からのパノラマ画像はこちら(281KB)


前回と同じように、レストハウスで牛乳を買う。
ベルクは覚えているのか、コップを持つ手をじっと見つめ、言われもしないのにオスワリをしている。
こういうときのオスワリは姿勢がいい。いつものダルそうなオスワリとはえらい違いだ。
「欲しい?」と聞くと、例のごとく後ろにのけぞってヒンヒン言う。まったくうるさいやつだ。

これが欲しいの! 新鮮さが違うね
これが欲しいの! んぐんぐ、新鮮さが違うね


牛乳を飲んで満足したベルクを乗せて、14:10、出発。
国道244号を進み、斜里から国道334号に入る。
海沿いをウトロを目指してひたすら走る。
15:09、ウトロの宿、いるかホテルに到着。


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<ファイト!一発!>

カムイワッカ湯の滝へは、ベルクは連れて行けないのだ。
別に犬連れ不可ということではないのだが、夏休み(今年は7/29〜8/20の23日間)は
知床五湖から先は自家用車進入禁止となり、シャトルバスで行くことになるのである。
必然的に犬は不可、ということ。
まあ、結論を言うと、たとえ滝の所まで自分の車で行けたとしても、あの川を登るのはベルク
連れでは到底無理だ。

ということで、ベルクにはホテルで留守番していてもらおう。
荷物を部屋に入れ、クレートを組み立ててベルクはその中でオヤスミ!だ。
人間は、水着に着替えてTシャツに短パン姿。あとはタオルを忘れずに持って、さあ、行くぞ!

15:40にホテルを出て国道334号を知床峠方面へ。
ウトロの街を横切り、知床五湖やカムイワッカ湯の滝へ向かう道道93号への分岐の手前にある、
知床自然センターに15:50到着。
ここでシャトルバスに乗り換えることになる。さすがにこの時期は駐車場が満杯だ。

荷物をデイパックに詰め、シャトルバス乗り場まで行くと16:00発のバスが待っていた。
ほとんど16:00だあ、うまいタイミングで間に合ったな、と思ったが、はて?乗車券を
買ってないぞ?
乗車券売り場は乗り場の上のほうにあるという。
あわてて乗車券売り場まで走り、二人分を買って戻ると16:02。
少し待たせてしまった。申し訳ない。
バスには我々を含めて10人ほどの乗客がいる。さすがにこの時間になると少ないのだろうか。

知床五湖の手前でカムイワッカ湯の滝方面へ右折すると、未舗装の砂利道になる。
大型バスで未舗装路を走るのは初めてだが、結構振動が感じられる。
自分の車と同じようなもんだ。

バスの中から
バスの中から。
振動でブレてます。


バスに揺られること40分ほどで16:45にカムイワッカ湯の滝の登り口に到着。
さっそく準備をする。
事前にインターネットで調べたのだが、川を登るため普通のサンダル等では危ないので、
濡れてもいい運動靴等が必要とのこと。
最盛期にはわらじを貸し出す業者も出るほどだという。
そこで、我々はダイビング用のブーツを持参したのである。
これなら、濡れてもOK、滑り止めには充分、また、くるぶしの上まであるので岩にこすっても
怪我をしない、と良いことづくめである
ただ、ちょっとカッコ悪いのが欠点かな。
ということで、さっそく川の中をジャブジャブと登り始める。

登り口からみた川の流れ 川の中を登っていく
登り口からみた川の流れ。
湯気がたってます。
川の中をジャブジャブと登っていく


カムイワッカ湯の滝とは、硫黄山の中腹から湧き出た温泉が、滝となり、川となって流れ
落ちているのである。
そして、上流の滝壺のところまで、その川の流れの中を文字通りジャブジャブと登っていくのである。
まず川に足を入れた瞬間「あったか〜い」。
本当に温泉が流れている。不思議な感じがするなあ。

この時間だと、上流から下ってくる人が結構いるが、みんなずぶ濡れだ。
ホントにあんなに濡れるの?と半信半疑だったがすぐに思い知ることになるのである。
それでも最初のうちは鼻唄を歌いながら、こんなもんかね、面白いねえ、なんて登っていた
のだが、だんだん急になり、両手を使って岩をよじ登らないとならない場所も出てくると、
マジになってきた。
足を滑らして滑落したら、ホントにやばいぞ、こりゃ。

無口になり一生懸命登っていると、目の前に、小さな滝というか岩の壁が!
どうすりゃいいんだ、こりゃあ。
しばし茫然と見ていると、みんな横の岩をよじ登り、また、しがみついて下りてくる。

途中にあるちいさな滝 さらに川の中を上流へ登っていく
途中にある小さな滝。
横の岩をよじ登るしかない。
さらに川の中を上流へ


しょうがない、我々も覚悟を決めて岩に取り付く。
荷物はデイパックとかに詰めて、両手を自由にしておいてよかったあ。
片手に荷物を持ってじゃ、とても登れない。
また、ずぶ濡れになる理由も分かった。
頭からバシャバシャ水(というかお湯)をかぶりながらでも、必死になって登らないと危ないのだ。
ファイト!一発!リ○ビ○タンD!と叫びたかったが、恥ずかしいのでやめておいた。
シャイなのである。
とかなんとか言いながら、やっとのことで登りきり、さらに上流を目指す。

登るほどにだんだんお湯の温度が上がってくるのが分かる。不思議な体験だ。
しかし、濡れるのは覚悟していたのでいいのだが、メガネが曇るのにはまいった。
お湯なので、湯気で曇ってしまうのである。
前が見えないと登りづらい。メガネをかけている人は気を付けたほうがいい。

そうしてヒイヒイ言いながら川を登ること20数分、17:08にやっとカムイワッカ湯の滝に到着。

湯の滝だあ 結構深い
カムイワッカ湯の滝だあ 結構熱い。
そして結構深い。


さっそく水着になり、滝壺へ。
ん〜、結構熱いなあ。40℃はあるだろう。
また、結構深い。滝の落ち際では足が着かない。
写真では立ち泳ぎをしながら両手を挙げているのである。

でも、すんごく気持ちいい。
空には青空が広がり、流れ落ちる川の湯煙の向こうには、傾き始めた太陽がまぶしい。
ごろごろした岩と引っ掛かった流木が、人の手が加わっていない自然の渓流の姿を感じさせ、
その中でこんなにゆったりと温泉を堪能していいのだろうか。
ん〜、極楽だ。

湯煙の向こうに太陽が眩しい
湯煙の向こうに傾き始めた太陽がまぶしい


ここは普通の露天風呂としてみても、充分な湯量と温度である。
ためしにお湯をなめてみたが、とても酸っぱかった。強酸性だと聞いていたがホントだ。
のんびりと温泉を楽しみ、17:25、出発。

下りは当然同じ道筋を辿っていくのだが、登りより下りのほうが気を使う。
足を滑らさないよう、慎重に下っていく。
登りと同じくらいの時間をかけ、17:48、出発点の登り口に到着。
ふ〜、面白かったあ。

下りは慎重に やっと着いた
下りは慎重に。。。。
って言ってるだろ!
無事に出発地点まで戻ってきた


びしょ濡れなので、着替えの下着を持ってきて良かった。バスタオルを腰に巻き着替える。
こんなのは十ウン年振りだなあ。
そうこうしているうちに18:00発のバスが来たので、乗り込む。行きと違い、帰りは満席だ。
もう太陽も傾き、夕陽がオホーツク海にどんどん近づいていく。

しばらく行くと、バスの行く手にはキタキツネが。と思うと横の斜面にはエゾシカの群れが。
「シカだ!」「キタキツネだ!」とバスの中が騒がしくなるが、シカやキツネたちは夕食の
時間らしく、あっちからもこっちからも姿を見せる。
しまいにはみんな見飽きたのか、シカを見ても誰も何も言わなくなってしまった。

キタキツネ エゾシカだ
キタキツネ 雄のエゾシカだ。
りっぱな角を持っている。


18:58、すっかり暗くなった知床自然センターに到着。
駐車場の車も随分少なくなっている。
荷物を積み込み、ホテルに向けて出発。

しかし、カムイワッカ湯の滝は結構有名な観光ポイントなので、いくらなんでもこれほど
ハードなところだとは思わなかった。
登り道が整備してあって、川を渡るときに少し濡れる位かなあと思っていた。
本格的な沢登りをする気持ちでいないと、サンダルばきでズボンの裾をまくって、なんて考え
ではホントに危ないのでよしたほうがいい。
例年、滑落して怪我をする人が後を絶たない、というのもうなずける。
でも、それでも行ってみる価値は十分にある。
今度行ってみようと考えている方は、きちんとした準備をして、安全に楽しんでもらいたい。

19:08、ホテルに到着。
ベルクはというと、ぐ〜すか寝ていたらしい。 クレートから出たらまず最初に思いっきり伸びをしたからねえ。
まあ、いいか。


明日はこちらの知り合いに再会する予定。楽しみだ。


【本日の走行距離:303.8km】


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