【6日目(9/22(水))十勝清水〜東川町】

<霧の林道を行く>
<崩れ落ちる?>
<日本一早い紅葉>


<霧の林道を行く>

朝起きてみると、天気がイマイチだ。
今日は、大雪山中腹の銀泉台というところまで紅葉を見に行く予定。
山の方は雨なのかなあ。心配だ。

走行距離的には大したことはないので、いつもよりのんびりと9:20に出発する。
とりあえず、昨年の夏に行こうとして台風の影響で通行止めになっていて断念した、
ナイタイ高原牧場近くの不二川迂回林道を目指す。
今回は逆方向で峠から牧場に下るルートにする。

国道274号に出て十勝清水の町を通過、鹿追町方面へ向かう。
途中でラビに運転を交代。途中の然別湖までの予定。
ここら辺は通行量も少なく、問題になるような箇所もないので大丈夫だろう。

鹿追町を過ぎ、道道85号へ入り扇ヶ原展望台方面へ上っていく。
10:13、扇ヶ原展望台へ到着。
ここからは十勝平野が扇のように広がって見えることからこの名がついたそうだ。
駐車場に車を停めようとしたら、キタキツネがウロウロしていた。
そういえば昨年来たときにもいたなあ。
幸い(?)ベルクは気づいていないので興奮することもなかった。
ふ〜、よかったあ。

で、眺めのほうはというと、曇り空の割にはまずまずの眺望だ。
遠くの方は煙っていて絶景とはいかないが、雄大な景色だということは間違いない。

キタキツネがいた ん〜、いい眺めだね
キタキツネがいた。 ん〜、いい眺めだね。


扇が原展望台からのパノラマ画像(182KB)

10:21、出発。
道道を然別湖方面に上って行く。
白樺峠を越え、然別湖畔に着いたのが10:32。

湖畔では山の中という事もあるのだろうが、小雨が降っている。
雨に煙る湖はとても神秘的ではあるのだが、ベルクを降ろすのはためらわれる。
ま、昨年も来ているし特に見るポイントも無いので、証拠写真だけ撮ってすぐに
出発することにする。

然別湖
然別湖。
煙っていて神秘的。


ここには観光ホテルが何軒か建っていて、観光バスも来るような所だ。
しかしここから先は山道で、少し道幅も狭く(と言っても余裕ですれ違える幅なの
だが)なるので、ラビと運転を交代する。
10:40、出発。

湖畔に沿って道道85号を先に進む。
湖畔を離れるとまた峠に向かって登り道だ。
程なく幌鹿峠に到着。11:06。
道の左側には立派な看板があった。

幌鹿峠の看板
幌鹿峠の看板。
ここから林道に入る。


で、右側には不二川迂回林道入り口の看板が。
全長4.3kmでナイタイ高原牧場の入り口まで下っていくのだ。

林道に入ると当然ながら砂利のダート道になる。
また、峠に上って来るに従って霧が出てきたのだが、それほど濃い霧ではなく、
運転には支障は無い。
それより、今にも何かが出てきそうな神秘的な雰囲気だ。

不二川迂回林道の入り口 霧が出ているが走るのに不都合はない
不二川迂回林道の入り口。全長4.3km。 霧が出ているが走るのに不都合はない。


のんびりと走って行く。
さすがに、峠の上のここら辺では紅葉が始まっていた。

林道の途中で(67.9KB)

ん〜、紅葉を見るには霧が無い方がいいなあ、やっぱり。
雰囲気はいいんだけどね。

周りの木々を眺めながらのんびりと下っていくと、だんだんと霧が晴れてきて、道も
平坦になってきた。
そのうち沢の横を走るようになって、路面にも小石が多くなり、轍に沿って走っていく。
森を抜けると視界が開け、ナイタイ高原牧場の入り口に建つ建物群が見えてきた。

下ってくるとだんだん霧も晴れてきた 森を抜ける
下ってくるとだんだん霧も晴れてきた。 森を抜けるとナイタイ高原牧場までもうすぐだ。


林道が終わり、舗装路に出る。11:43。
そして、厩舎やサイロが建ち並ぶ横を通り、ナイタイ高原牧場の展望レストハウスに
向かって入り口を右折する。

レストハウスに向かう道は、左右に広大な牧場がうねうねと広がり、晴れていれば
とても眺めの良い道だ。
よくガイドブックなどで紹介される“牧場の中を延びる道”そのものである。
そして左右の広い牧場には、牛がゴマ粒のように散らばっているのである。

レストハウスに向かう道
レストハウスに向かう道。
晴れていれば眺めがいいのになあ。


11:51、展望レストハウスに到着。
ん〜、広〜い牧場は見渡せて気持ちいいのだが、十勝平野の絶景までは見えないなあ。
残念だ。

レストハウスの横の看板とトラクターの前で 晴れていれば
レストハウスの横の看板とトラクターの前で。 晴れていれば向こうに十勝平野の
絶景が眺められるのだけど。


今日は平日だけど、観光客がちらほら来ている。
ちょうどお昼時だしね。
我々は朝食をしっかり食べていてお腹も空いていないので、景色を眺めるだけにする。

駐車場の上に広がるエリアには、馬(道産子かな?)が放牧されていた。
ベルクがご挨拶に行ったが、腰が引けている。
大きい相手は実は結構苦手なのである。

馬にご挨拶
馬に(道産子か?)ご挨拶。


レストハウスの周りをぐるっと一回りして、しばしの休憩。
眺めがイマイチなので、すぐに出発することにする。
この後は、糠平湖の湖畔に残る旧国鉄士幌線の廃線跡の橋梁を見に行くのだ。
12:19、出発。


TOPへ



<崩れ落ちる?>

牧場の中の気持ちのいい道を下り、道道806号まで戻る。
先ほどの林道とは反対方向に向かい、上士幌の町で国道273号に左折。
糠平湖に向かう。

しばらく走ると、糠平ダムが見えてきた。
目指すタウシュベツ川橋梁は、湖の反対側だ。
ダム自体は特に特筆すべきものは無いので通過し、湖畔の国道を先に進んで行く。
湖を過ぎた辺りに右に林道の入口があり、タウシュベツ川橋梁の案内板があった。

あ、こっちだ、と曲がろうとしたところ、隣にはクマに注意の看板が。
ここら辺(大雪山麓の原生林の中)では、そんなこと言われなくても注意するわい。

タウシュベツ川橋梁はこっち ヒグマに注意!
タウシュベツ川橋梁はこっち。 ヒグマに注意!


林道にはいると、あっちこっちに倒木がある。
道にまで倒れ込んでいるものも。
先日の台風の影響だろう。
ま、道がふさがれているわけでは無いので(車が通った後がある)、注意して進む。
入口付近を過ぎると、倒木も無くなり、真っ直ぐの気持ちのいい道になる。

道のあちこちに倒木が 気持ちのいい直線道路が延びる
道のあちこちに倒木が。 気持ちのいい直線道路が延びる。


真っ直ぐな道をしばらく進むと、左カーブの所に広場があり2台ほどの車が停まっていた。
ここかなあ。13:11、到着。
車を停め、反対側(右側)前方にまっすぐ伸びている道を湖の方に入って行く。
真っ直ぐ湖に通じているようだ。

道路脇の駐車場に車を停める 反対側の森の中に入っていく
道路脇の駐車場に車を停める。 反対側の森の中に入っていく。


道の脇には、またまたクマ注意の看板と、出没情報が貼りだしてあった。
よっぽど頻繁に出没するのかなあ。
まあ、ここら辺ならそれも理解できなくもないけどね。

クマ出没情報
クマ出没情報だって!


真っ直ぐな道を湖に向かっていくと、倒木のように木で通せんぼがしてあった。
車・バイク止めになっているようだ。
幅も広くて、車でも余裕で通れる道だもんね。
それに、いままで走ってきた直線の延長のような方向に伸びているので、入り込む
車も多いのだろう。

で、これは帰り際に気づくのだが、この道はタウシュベツ川橋梁から真っ直ぐに
伸びているのである。
ということは、昔はここに線路が敷いてあったのに違いない。
そして、さっき走ってきた真っ直ぐな林道も、線路の跡なのだろう。
そう思うと、思わず後ろを振り向いて感慨にふけってしまう。
ラビとベルクは、そんなことにはお構いなしでさっさと歩いて行ってしまったけどね。(ーー;)

車・バイクは通行止め
車・バイクは通行止め。


100mほど歩いて湖畔に出た。
目の前にはタウシュベツ川橋梁が、崩れ落ちそうになりながら湖の方に向かって
伸びている。
今は湖の水位が高めなので向こう半分ほどが水に沈んでいるが、冬など湖の水位が
低いときには、立派な橋脚が姿を現すということだ。

昭和31年に糠平ダムができて国鉄士幌線(帯広〜十勝三股)が別ルートに付け替え
られた時に、このアーチ橋はそのまま残されたとのこと。
そして、昭和63年には士幌線そのものが廃線になってしまうのだ。

反対側にまわると、橋桁が崩れかけているのがよく判る。
ん〜、万物は全て流転しているんだなあ、などと一人で感じ入る。
ベルクは相変わらず地面の匂いを嗅ぐのに夢中だけど。

しかし、静かだなあ。
雨は降っていないが、周りの山並みは霧雨に煙っていていい雰囲気だ。
それになかなか絵になる場所だ。
こういう場所はあんまり観光地化されて欲しくないものだ。

タウシュベツ川橋梁 反対側
タウシュベツ川橋梁。
静かだ。。。
反対側。
崩れかけているのがよく判る。



タウシュベツ川橋梁のパノラマ画像(222KB)

橋のたもとには崩落注意の看板が立っていた。
確かに、歩いて渡りたくなるもんね。

崩落注意の看板 橋の上部
崩落注意の看板。 橋の上部。
この上を列車が走っていたんだなあ。


しばらくあたりをウロウロし、出発することにする。
湖畔には20分ほどいたが、我々の後からは中年の夫婦が一組来ただけだった。
静かで良いなあ。

直線の道を通り広場に戻る。
ベルクのお腹が結構汚れてしまった。
ぶつぶつ言いながらタオルで拭いて、13:36、出発。
国道273号まで戻り、三国峠方面に向かう。
峠の向こう側にある、紅葉で有名な銀泉台に向かうのだ。


TOPへ



<日本一早い紅葉>

さてこの季節、銀泉台へ向かう道には通行規制が敷かれているのだ。
昨年来たときは季節はずれだったので、別に何もなかったのだがね。
で、事前にインターネットで調べておいたのだが、午後3時までは自家用車は
通行不可、ということだ。
昼間はシャトルバスが運行されているのだが、どうせベルクは乗れないだろうし、
銀泉台からさらに登山するわけでもないので、ちらっと紅葉を眺められればいいか
なあ、ということで3時以降に行くことにしたのである。

このまま直行すると早く着きすぎてしまうので、途中の十勝三股にあるレストハウス・
三股山荘でコーヒーを飲んでいくことにした。
十勝三股は、大正から昭和30年代にかけて林業の基地として、そして国鉄士幌線の
終着駅として賑わった場所だそうだ。
その後、林業の衰退と鉄道からトラック輸送への切替により、昭和63年に士幌線は
廃止され、現在では、十勝三股に住む住人も居なくなり、このレストハウスだけが
ただ一つの建物なのだそうだ。

13:55、十勝三股に到着。
山間に開けていて案外明るい雰囲気の場所だ。
終着駅だったので、当時は広い構内に列車の方向転換やらメンテナンスの施設が建ち
並んでいたに違いない。

国道の脇の林の中に建つ三股山荘に入る。
ベルクは車の中で留守番だ。しょうがない。
お店は、山小屋という雰囲気。
お客さんは8分入りぐらいかな。結構有名だからね。

十勝三股にある三股山荘
十勝三股にある三股山荘。
喫茶店である。


30分ほどのんびりして、店を出る。
車に戻ると、ベルクが大あくび。よく寝られたみたいだ。よかったね。
14:20、出発。

国道273号をさらに進む。
何も無い樹海の中をまるで高速道路のような道が貫いていて、いつの間にかスピードが
制限速度の2倍近くになっている。
ちょっと出し過ぎかあ。(^^ゞ

14:30、三国峠下の展望台を通過。
ここからは眼下に広がる原生林の眺めが素晴らしいのだが、今日は曇りでイマイチ。
停まらずに通り過ぎる。

峠のトンネルを過ぎて、今度は下りになる。
銀泉台の入口に着くと、15時前なのでゲートが閉まって警備員が立っている。
国道の道端で待っているわけにも行かないので、少し先の大雪湖ダムまで行く。
14:52、大雪湖ダムに到着。
殺風景なダムサイトで何もない所だ。
しばらく時間をつぶし、15:00ちょうどに出発。

数分でさっきの銀泉台入り口に着くと、ゲートが開いている。やったね。
警備の人たちも帰り支度をしている。
さっそく銀泉台に通じる道道212号に乗り入れる。

銀泉台入口の看板
銀泉台入口の看板。
登山口の駐車場まで15km。


通行規制の看板(89.8KB)

しばらく快調に上っていくと、前に自家用車の列が。
やっぱり一番乗りじゃなかったのかあ。
抜かすことはできないので、列の後ろについて上っていく。

前の車について上っていく
前の車について上っていく。


やっぱり、高度が上がるにつれて雲が多くなってくる。
小雨も降ってきた。
15:32、やっと銀泉台の駐車場に到着。

銀泉台登山口の駐車場
銀泉台登山口の駐車場に着いた。
霧雨が降っている。


やっぱり眺めは良くない。
周りの山肌は雲に隠れ、紅葉しているのかどうかもよく判らない状態だ。
残念だなあ。

駐車場の奥から大雪山・赤岳への登山道が始まるのだが、ちょっと上ったら別の方向
に紅葉も少しは見えるんじゃないかということで、行ってみることにする。
登山道は犬連れ不可だろうから、ベルクは車で留守番だ。
ま、雨で地面もぬかるんでいるし、汚れたら足やお腹を拭くのもメンドくさいしね。

登山道の入口に登山者への注意書きの看板があり、小さく犬連れ不可と書いてあった。

環境省による登山者への注意
環境省による登山者への注意。
“ヒグマによる被害を防ぐために
犬連れは止めましょう。


登山道といっても、最初はなだらかな坂道が続いているので、スニーカーで大丈夫だ。
両側の木々はもう紅葉が始まっている。
この紅葉が山肌全体に広がっているはずだ。見えるかなあ。

登山道の周りは紅葉が始まっている
登山道の周りは紅葉が始まっている。


数百m行くと、大きな岩の間を縫って上っていく本格的な登山道入口が見えてきた。
我々はここまでだなあ。
その入口の横にはちょっとした広場があって、展望台のようになっていた。
ん〜、下の駐車場よりは少しは見える。きれいだ。

登山道の途中から
登山道の途中から。
晴れていればきれいなのになあ。


晴れていれば素晴らしい景色だということが判る。
残念だ。
これは、もう一度来い、ということかな。

しばらく辺りの景色を見た後、駐車場に戻る。

やはり天気が良くないからか、駐車場は空いている。
我々の後から数台来ただけのようだ。
さっさと車に戻り、16:00、出発する。

残念だねえ、などと話しながら下っていると、途中で一瞬雲が切れてきれいな山肌が
見えた。
あわてて車を停め、写真を撮る。
ん〜、やっぱりきれいだ。

駐車場から下る途中
駐車場から下る途中。
一瞬雲が切れた。


雲の中の紅葉のパノラマ画像(139KB)

しばらく見とれていると、10分も経たないうちにどこからともなく雲が湧いてきて、
また見えなくなってしまった。
ふ〜(ーー;)

下りは快調に飛ばし、16:32、ゲートのある入り口まで戻ってきた。
国道273号を左折し、大雪湖ダムを通り過ぎ、国道39号へ。 層雲峡は昨年十分に見たので通り過ぎる。
ここら辺は紅葉もまだだしね。

17:05、上川町を通過。その先の愛別町から道道140号に左折。
愛別IC前を通り過ぎ、道道を旭川方面へ直進する。
5日前にはこの愛別ICから知床に向かって行ったのに、もう戻ってきてしまった。
楽しい時間が経つのは早いよねえ。

この頃になるとすっかり暗くなり、雨も本降りになってきた。
すると、いつの間にか後ろの車がピッタリくっついて、我がベルク号をあおっている。
いい根性してるじゃないか。
しかし、前にはトラックがいるのであまり早く走れない。
(それでも60km/H以上なんだけど)
しかも片側1車線の山道なので、見通しが悪く、追い越しをかけられないのだ。
すると、“早く行け”と言わんばかりにますますピッタリくっついてくる。
ルームミラーにはヘッドライトだけが反射して眩しいこと。(ーー;)

しばらくして山道が終わり直線になったので、きちんとウインカーを出し(几帳面なのだ)
前のトラックを追い越しにかかった。
すると、案の定、後ろの車もピッタリくっついたまま追い越しにかかろうとしていた。
その時!!
いきなり赤色灯がルームミラーやバックミラーを満たし、真っ赤になる。
そして“ファンファン”というサイレンが!!(゚o゚)
やば!パトカーだ!

トラックを追い越して元の車線に戻り、改めて恐る恐るバックミラーを見ると、
後ろの方に小さく、さっきのあおっていた(と思われる)車とパトカーが見えた。
どうやら、捕まったのは後ろの車らしい。
いいのかな?と思ったが、知らんぷりしてそのまま行くことにした。(^。^;)

後で考えると、ずいぶん前から、トラック〜我がベルク号〜後ろの車〜パトカー、と
いう形で走っていたのだろう。
で、後ろの車がピッタリくっついてあおっていたのをパトカーは見ていたに違いない。
そして、こちらが耐えられずに追い越しをかけた、と見てくれたのだろう。
きちんとウインカーを出したのも好印象だったかな。
我がベルク号をあおるなどという大それたことをするから天罰が下るのじゃぁ。
でも、暗くて雨が降っているので、後ろの車がパトカーかどうかなんて分からないしねえ。
ちょっと同情したりして。

今後は、追い越しをかけるときは後ろをよくチェックしないと。
それに、もしここで免停になったりしたら、この後の行程はラビの運転で行くしか
ないじゃないか。
それもまた恐ろしい事だ(^。^;)
その後は、安全運転で進み、旭川市街をパスして18:14、東川町の宿に到着。
ふ〜、なんか疲れたなあ。

昼間のんびりした分、到着が遅くなってしまった。
荷物とベルクを降ろしたらすぐに食事だ。

さて、明日はロープーウェイで大雪山旭岳の中腹まで行く予定。
紅葉はどのくらいになっているんだろう。
楽しみだ。

TOPへ


【本日の走行距離:314.4km】


前のページへ戻るよ 次のページへ行くよ