【8日目(9/30(金))十勝清水〜洞爺湖】

<道無き道を行く秘境の滝>


<道無き道を行く秘境の滝>

朝の散歩は宿の前の草原にて。
ベルクのお腹が朝露で濡れるけど、汚れることはないので拭くのも楽チンだ。

宿の前の草原にて
宿の前の草原にて。

草原のパノラマ画像(541KB)

今日は、日本の滝百選に選ばれている“インクラの滝”を見に行くのだ。
インクラの滝は、苫小牧の近くの白老町を流れる別々川にかかる滝で、以前は
“別々の滝”と呼ばれていたが、木材を運び出すインクラインという索道施設が
近くにあったため、“インクラの滝”と呼ばれるようになった、とのことである。
到達するのがかなり大変な滝らしい。

9:10、宿を出発。
国道274号まで出て左折、日勝峠を上っていく。
まだ時間も早いので道路も空いている。
トラックが少ないのが楽だなあ。
峠を越えて日高町でガソリン補給。
さらに、274号を夕張方面へ。
通称・日勝樹海ロードをひたすら走る。

11:07、やっとこさ道東道・夕張ICに入る。
千歳恵庭JCTから道央道の苫小牧方面へ。
12:05、苫小牧西ICを下りる。

国道36号を室蘭方面へ。
社台ファーム(牧場の)手前を“インクラの滝入り口”看板に従い、右の脇道に入る。
少し行くと、詳しい道順の書いてある看板があった。

インクラの滝まで9km
インクラの滝まで9km。
けっこう歩くらしい。

道央道の下をくぐり、山に向かって進んでいく。
すぐに道はダートになり、森の中へ。
思ったより路面状態はいいし、道幅も広いので走りやすい。

走りやすいダート
走りやすいダート。

12:37、駐車場に到着。
なんか、簡単に着いてしまったなあ。
あっけない感じがした。
しかし、この先にとんでもない事態が待ち受けていたのである。

駐車場
駐車場。

駐車場は2ヶ所に別れていて、車が合計20台は停まれる広さがある。
奥の駐車場には展望台のようなやぐらが建っている。
ここから遠くに見えるのかな。
上ってみると、木々の間から小さく滝の上部が見えた。
あれがインクラの滝なんだろうなあ。
でも、やっぱりもっと近くまで行かないと、ここまで来た意味が無いよねえ。

木々の間から滝の上部が少しだけ見える
木々の間から滝の上部が少しだけ見える。

というわけで、遊歩道(この時はまだ“道”というものがあると思っていた)を行く
ことにする。
看板には“自然保護のため歩道は設置していないが、踏み跡がありますので・・・・
長靴の着用をおすすめします。”との注意書きがあったので、長靴を履いていくことにする。
もちろんベルクは車で留守番だ。
ここら辺はヒグマの生息地でもあるしね。

インクラの滝へのアプローチの注意書き看板(201KB)

この注意書き看板の横に、川の方へ下りる小さな階段があり、先は森の中に続く遊歩道
のようになっている。
そして少し進むと、川沿いの道になる。
道というよりも、確かに“踏み跡”だ。

最初は平坦な川沿いの道
最初は平坦な川沿いの道。

それでも、最初は平坦な川岸の砂地だったので楽だったのだが、しばらく行って小さな
砂防ダムを越えると、道が分かりにくくなってきた。
川(というより沢)岸の砂の上には靴跡が残っているところもあるのだが、少し横に
ずれるととたんに分からなくなる。
かろうじて、前の人が残していった目印(木の枝に結びつけられた小さな布切れや、
ハンカチ、コンビニの割り箸袋)を頼りに、それだと分かるだけだ。
また、増水・落石で通れなくなった場所を巻くように、横の崖を上って下りるような
所もあった。

こんな崖をよじ登ったり
こんな崖をよじ登ったり、
這いつくばって下りたりした。

まあ、基本的にはこの川(沢)沿いに遡っていけばインクラの滝に到達するはずなので、
道に迷ってしまうということは無いのだけど、さすがにこれは想像以上だ。

これはどっちに行けばいいの
これはどっちに行けばいいの?

歩き出してから30分以上悪戦苦闘して、やっとインクラの滝が見えてきた。
が、大きな岩(直径が2〜4mもあるようなやつ)が行く手を阻むので、近づくまでに
さらに10分くらいかかった。
ふ〜、けっこう達成感があるなあ。

やっと近くまで到達して見上げると、水量はそれほど無いのだが周りの断崖を断ち切って
水が飛び出してくるようで、なかなか迫力がある。
まさに秘境の滝という感じだ。

      
     インクラの滝。
(クリックすると大きな画像が開きます)

落石がけっこうあるらしく、周りは大小の岩で埋め尽くされているので、滝つぼには
危なくて近づけなかった。
しばらく飛沫を浴びたりして滅多に味わえない秘境の滝を満喫する。
それでも帰りの道のりを考えるとあまり長居もできないので、10分ほどうろうろして
出発することにする。

帰りは目印のおかげで道に迷うこともなく、30分くらいで駐車場に戻ってきた。
車をのぞくと、ベルクは眠そうな顔でこっちを見上げている。
グーグー寝ていたらしい。
ま、いい休憩になったでしょ。

14:13、出発。
帰りは、途中から別の林道でぐるっと回れそうなので、行ってみることにする。
駐車場から1kmほど戻った所から左折。
社台横断林道というらしい。
新しく整備された林道のようだ。

社台横断林道の看板 道路脇の標識が新しい
社台横断林道の看板。 道路脇の標識が新しい。

道幅は少し狭いが路面状態は良い。
ただ、両側から木が被さってきて先がよく見えないところもあり、ゆっくり走る。

両側から木が被さる
両側から木が被さる。

しばらく走ったのだが、カーナビによるとどんどん違う方に(山の奥の方に)向かっている。
あまり山奥に入り込んで帰れなくなっても困るので、途中で引き返すことにした。
時間もあまり無いし。
この先はどこかに通じてると思うんだけどねえ。
さっきの林道まで戻り左折し、来た道を戻る。

国道36号に出る手前に、行きにちらっと確認した“インクラの滝入り口”看板がある。
で、よくよく見ると「展望台より先は崩落のおそれがあるので立ち入り禁止です」と
書いてあるではないか。

国道脇の案内板
国道脇の案内板。

※注意※
東京に帰ってきてから白老町のHPで確認したところ、滝直前の場所で崩落が確認されたため、
駐車場から先は通行禁止になっているとのことだ。
知らなかった。
そう言えば、駐車場から川に下りる階段の横に、“通行止め”標識が、どけてあるように
置いてあったなあ。
実際、普通の観光客が普通の格好で行けるような所でもないし。
知らないで入ってしまうと、我々と同じように大変な難儀をすることになる。

なので、残念だが今のところは駐車場から望遠することで我慢するしかないのか。

国道36号を右折し、白老ICから道央道に乗る。
室蘭を通り過ぎ、虻田洞爺ICを17:27に下りる。
国道37号に右折したところでガソリンを補給。
そしてすぐに右折して、ひと山越えて洞爺湖畔へ。
今日の宿の洞爺山水ホテル和風に17:55、到着。

ふ〜、今日はけっこう疲れたなあ。
明日は、今まで2回トライしたけど行けなかった賀老の滝を見に行くのだ。
楽しみだなあ。

TOPへ

【本日の走行距離:342.9km】


前のページへ戻るよ 次のページへ行くよ